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ハチはなぜ大量死したのか--越冬失敗

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「 ハチはなぜ大量死したのか--農薬による蜂群崩壊 」の続きです。 越冬中に蜂群死が起きるのは避けられません。ヘギイタダニが猛威を振るう昨今において2割の越冬失敗率は標準的です。当養蜂場においても2割ほどの蜂群が越冬に失敗しました。 異例の暖冬だった昨年と打って変わって今年は厳しい寒波が幾度となく襲い、例年の緩い冬に馴れきった遺伝子には辛い試練でした。もちろん、日本海側や北側の地域と比べれば遥かに越冬しやすい恵まれた環境なのでしょうが。 越冬が難しいだろうと思われた小規模な群れも凍死しました。数が少なく寒さに耐えられなかったのでしょう。それでも、同じ程の小群で生き延びている群れも少なくないのもまた事実で、その差がどこにあるのかは分かりません。 期待の強群が凍死することもあります。規模が小さいのはその群れの責任で淘汰されるのは自然の理ですが、大きな群れが滅びるのはエラーです。色々してやれたのではないかという後悔が残ります。 近くの大規模養蜂場では8割以上が越冬に失敗したようです。原因は分かりませんが、ヘギイタダニ起因であるなら、従来の化学的防除は限界に達していると言えるでしょう。

「ハニーランド 永遠の谷」のレビュー

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「ハニーランド 永遠の谷」は北マケドニアの貧しい養蜂家を追ったドキュメンタリーで、「半分はかれらに、半分はわたしたちに」というフレーズが気になり、いつかは視聴しようと思っていました。 もっともわたしには映画館に行く習慣がなく、DVDプレイヤーも持っておらず、オンライン配信を待っていたところ、5日になってYouTubeで配信が始まり、ようやく見ることができました。 視聴者によって感想が異なるのは当然ですが、殊に養蜂家のそれが他の人のものと異なるのは仕方ありません。 養蜂家の観点からいうと、まず「蜂が全然出てきません」。一応ところどころ出て来はしますが、向こうの養蜂の実態や古来から続く自然採取が分かるというものではありません。 それでも、貪欲で技術もなく蜂や隣人への敬意もない養蜂業者が如何に周囲の迷惑になるかといったことは良く分かるものでした。利益しか頭にない養蜂家や、これから養蜂を始めようと思う人は本作品を視聴しておくと良いでしょう。 ドキュメンタリーとして見た場合は、絶望的な貧困を描いたキツイ作品です。見て楽しくなるものではありません。「経済的弱者」という言葉が甘く感じれる程に、資本主義のもたらす暴力と貪欲の残酷な結果が見事に描かれています。