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10月, 2020の投稿を表示しています

腹側撮影法

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ヘギイタダニ寄生率モニタリングの必要とシュガーロール法の欠点 ヘギイタダニ寄生率をモニタリングすることは養蜂を行う上で非常に大切なことです。 寄生率が分からないのに防除を行うことはできません。寄生率を調べずに全群に薬を入れることもできますが、特に防除の必要もなく薬を入れるのは薬代の無駄になります。そうでないとしても蜂、特に女王蜂の寿命を縮めることになります。むやみに薬を入れるべきではありません。 寄生率を調べる標準的な方法にシュガーロール法という方法があります。詳細は他のサイトに譲るとして、その方法は、砂糖が無駄になり食べ物を粗末にしているようで、というか実際にそうなので、あまりやりたくない方法です。読者のみなさんもきっと同じように感じていることでしょう。 もっと賢い方法はないのでしょうか。通常ヘギイタダニは蜂の腹側や側面に寄生しているものです。通常見えるのは蜂の背中にいる時です。背中についているのは他の蜂に乗り換えようとしている時で、めったに見られません。もし見ることができるようになったなら、それは寄生が相当進んでいる状態なので、むしろ見たくないものです。 クリアファイルケース 腹側を見る方法を考えました。透明のケースに入れて下から見るのです。 そこで、主に110円の商品を広く取り扱っている店で透明のケースを買ってきました。これに蜂を入れて下からデジカメで写せば、自宅でゆっくり腹側を確認できるはずです。 ケースを開き、巣枠から蜂を落とし直ぐに蓋をしました。蜂は飛んで逃げてしまいますからね。 蓋をする時は、挟んで殺してしまわないように気をつけました。 蓋を閉めててしまえばこちらのものです。 あまり入っていないように見えるかも知れませんが、これでも60匹も入っています。 遠慮せずにもっと落とせばよかった。 ミツバチの腹側 下のふたつの画像をクリックして見る時は、画像サイズが大きいので気をつけて下さい。 いわゆる8Kサイズの、数Mバイトもある巨大な画像ファイルです。 こうしてみると蜂の腹側がよく見えますね。 もっと透明度の高い素材だったら、よりよく見えていたかもしれません。 ヘギイタダニは写っているでしょうか? 胸部の 腹側 についているヘギイタダニ 蜂の腹側がはっきり見えますが、ヘギイタダニらしいものを見つけることはほとんどできませんでした。 普段から、ダニの寄生率は

聖書とハチミツ3--乳と蜜の流れる地

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乳と蜜の流れる地 「 聖書とハチミツ2--古代イスラエルにおける養蜂 」の続きです。 神ヤハウェ/エホバ(文語体聖書)がアブラハムに対し、その子孫に与えると約束した「約束の地」は「乳と蜜の流れる地」(出エジプト3:8)でした。この程度のことは、イスラム教やユダヤ教、キリスト教の信者でなくても教養のある人なら誰もが知っていることでしょう。 今回考えるのはこの「蜜」についてです。養蜂家ならこの「蜜」のことを「蜂蜜」と思ってしまうことでしょう。英語訳の聖書を見ると約束の地が”a land flowing with milk and honey”なので、ますますその確信を強めてしまうことでしょう。 דבש しかし、ヘブライ語で書かれた聖書中の語義を英語で考えるのはナンセンスです。かといって、ヘブライ語で考えればより良く分かるというものでもありません。 「乳と蜜の流れる地」の「蜜」のヘブライ語は、「דבש」です。「דבש」ではなんのこっちゃ分かりませんので、音訳すると「ドゥバシュ」になります。音訳しても解釈にはまったく役に立ちませんが。 ヤハウェが約束した「דבש(蜜)」が一体何なのかは、当のユダヤ人たちも一義的には分からなかったので、その解釈は注釈書に当たるタルムードを参照していました。タルムードのケトゥボート(Ketubot)の111bによれば、「דבש(蜜)」は、イチジクの甘味のことのようです。なお、「乳」の方はヤギの乳です。 ラミ・バル・エヘズケルRami bar Yeḥezkelは、ベネイ・ベラクBenei Berakに偶然出会った。彼はイチジクの木の下で草を食べているそれらのヤギを見た。そこには、イチジクからにじみ出る蜜(דבש)とヤギから滴る乳があり、ふたつの液体は共に混ざっていた。彼は言った。これは「乳と蜜の流れる地」という節の意味である。(Ketubot 111b) https://www.sefaria.org/Ketubot.111b.22?lang=bi&with=all&lang2=en しかし、これもラビたちの解釈なので、イチジクで間違いないとまでは言い切れません。これをナツメヤシだと考える人もいます。イスラエルには昔からナツメヤシが生えていて、その実を乾燥させたものはデーツと呼ばれています。デーツは非常に甘いドライフルーツです。

沈黙の秋

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「 夏の花粉源植物ヒマワリ 」の続きです。 今年もセイタカアワダチソウは9月中に咲いてくれました。これでミツバチも越冬の食料を蓄えることができるはずです。 しかし、今年のミツバチの成績は芳しくありません。7月はずっと雨、8月は高温と日照りだったため、2か月あまり蜂たちは仕事になりませんでした。その間、花も少なかったのでしょう。どの群れも疲弊しています。 苦境に立たされているのはミツバチだけではありません。今の時期はオオスズメバチやキイロスズメバチ、コガタスズメバチの来襲で大忙しのはずなのですが、これが驚くほどやって来ません。あまりにやって来ないので滅んだのではないかと心配してしまうくらいです。 スズメバチは、この2か月の肝心な時期にコロニーを拡大させることができなかったと思われます。つまり毛虫や芋虫がほとんどいなかったのでしょう。害虫がいないことは一見良いことですが、同時に薄ら寒いことでもあります。それだけ地域環境が貧しかったことを意味するからです。 実際、今年の上荘の夏は貧しかったものと思われます。木の実も熟す前に落ちているものが多くありました。花蜜がないだけでなく実もないならば、イノシシやアライグマその他タヌキやキツネはどうやって生きていけばよいのでしょうか。 次の冬はラニーニャのせいで冷え込む予想です。秋が長引けば、蜂は立ち直るでしょうし、動物たちも冬越しの準備ができるはずです。あと2か月、できれば3か月今の気候がもってくれることを願うばかりです。 「 かんばしいビワの樹 」に続きます。