2022-08-12

パッシブソーラー式温熱療法システムで、スムシ対策をしよう

本来スムシは蜜蝋の分解者で、ミツバチが放棄した巣を片付けてくれる存在ですが、ミツバチと競い合うこともあり、蜂の数が少なく巣板の管理が行き届いていないと、巣脾に穴を開け蜘蛛の巣のような糸を張り巡らします。

このような巣脾の食害は、冬季などに空の巣枠を巣から取り除き、どこかで保管していると、しばしば被ることになります。空の巣枠には既に卵が植え付けられており、ビニール袋に入れて保管しても無駄です。

この卵や、巣脾中のスムシを殺す方法に、冷凍庫で冷凍するという方法があり、そう紹介している養蜂書もあります。しかし、巣枠が入るほど大きな冷凍庫は一般的でなく、そんなものを持っている人はいないでしょう。私も持っていません。出来もしない方法を提示して「出来る」と主張するのは、どうかしています。

私は、スムシに困っているという程のことはありませんが、巣脾をスムシから守る方法を知っています。巣脾を45℃から47℃で1時間ほど熱するのです。するとスムシは死にます。

方法は、このブログの読者ならよくご存知の、黒いシートと透明のビニールカバー、つまり、『ミツバチのダニ防除』にも書いてある「温熱療法システム」です。蜜蝋は50℃で機械的強度を失い、60℃から融解し始めます。養蜂箱の継箱に空の巣枠と温度計を設置し、黒いシートをかけ、さらに透明のビニールカバーをして、温度を監視しながら直射日光にさらして熱すれば、このとおり、スムシを駆除できます。



もちろんこれらは死んでいます。