皆さまは、拙著『ミツバチのダニ防除』を、ヘギイタダニ対策のバイブルとして手にされていることと思いますが、その知見、特に「温熱療法」の知見は活かされているでしょうか?
『ミツバチのダニ防除』は、発売の一年ほど前にダイジェスト版のような記事が『現代農業』に掲載されましたが、その中でも特に反響が大きかったのが「温熱療法」です。そのため、それに絞った記事を別途二回にわたり連載しました。
その後、『ミツバチのダニ防除』は満を持して刊行され、温熱療法は一部の方に実践されるようになりましたが、多くの人が行っているかというとそうではなく、面倒とか難しいとか様々な事情であまりチャレンジされていないように感じられます。
それでもやはり「温熱療法」は行うべきです。
どうしてかというと、温熱療法によって熱ストレスを経たミツバチは、ウイルス感染に対しても強くなるからです。
40〜42 ℃の温熱療法を1.5〜3時間行うと、ヒートショックタンパク質(特にHSP70)が誘導され、それがウイルスの複製を阻害したり、ウイルスを分解したりします。
愚タウ的には、42 ℃のヒートショックを4時間行った結果、ヒートショック応答が引き起こされ、32℃を維持された蜂と比較して、74-90%もウィルス量が少なくなったそうです。しかし、この温度を4時間保つと蜂児は全滅してしまいますので、成蜂に限ります。蜂児なら41℃を2時間までがお勧めです。
温熱療法はぎりぎりを攻めるため温度管理が難しいですが、自然感染したミツバチにおいても37 ℃以上の高温環境に一定時間晒すなら、体内のチヂレバネウイルスの増殖レベルは低下するとのことですので、正確な温度管理ができない人はこちらを目指すというのも手でしょう。
詳しくは上のリンクから本文をご覧ください。
『ミツバチのダニ防除』を書いた頃には、ダニが熱で死ぬからヘギイタダニ対策になるということしか書けませんでしたが、それ以上の効果があったということです。温熱療法はなんと素晴らしいことでしょう。