2022-05-20

日本応用動物昆虫学会HPに拙著『ミツバチのダニ防除』の書評が掲載されています

玉川大学農学部教授の中村純氏から書評(2022年4月22日公開)を頂いています。

(日本応用動物昆虫学会HP)

著者としてこの書評は、正鵠を射たものだと感じています。「著者の哲学にしたがう指針に満ちた1冊となっている」という評も、まさにそのとおりで、『ミツバチのダニ防除』は、私の個人的な養蜂哲学に立脚した本です。

拙著とよく向き合った上で評釈を書いてくださった中村氏に感謝申し上げます。

中村氏の論文「ダーウィン養蜂とミツバチのアニマルウェルフェア」は、拙著『ミツバチのダニ防除』と通底しているところが多くありますので、併せてご覧ください。

2022-05-06

現代農業6月号の雄蜂巣房トラップ法の記事について


現代農業デビューを果たしたのは、ちょうど1年前の2021年6月号でした。同号では、本文記事だけでなく巻頭口絵にも載せていただき、大きく取り上げていただきました。1年前の記事は、拙著『ミツバチのダニ防除』のエッセンスを含む記事で、特に温熱療法に高い関心が向けられました。

私としては、皆さんが温熱療法技術を身につけてケミカルフリー養蜂を実現して欲しいと願っていますが、そのためには、ある程度練習し熟練する必要があります。対して、雄蜂巣房トラップ法は、雄蜂巣房を切り落としたり潰したりするだけなので、高度な技術は必要なく、誰でも簡単に行うことができます。

現在発売中の現代農業2022年6月号の記事では、2氏が記事を書いています。私は執筆していませんが、昨年の記事を担当編集者が再構成し要点をまとめて、最後の1ページに掲載してくれています。ケミカルフリー養蜂(脱化学物質)は、目的ではなく手段に過ぎませんが、私たちの養蜂技術は日々進歩していかなければならないので、臆せずに学び、採り入れて行かれたら良いと思っています。

今なら、現代農業取材ビデオが無料で閲覧可能です。雄蜂巣房トラップ法の威力と方法がひと目で分かる非常に教育的な良コンテンツですので、以下のURLから是非ご覧ください。

https://lib.ruralnet.or.jp/video/video_play.php?id=202206_01

https://gn.nbkbooks.com/?p=6625

2022-04-22

天候不順とキイロスズメバチの女王蜂

今年の春は、夏のような暑さと冬への逆戻りの繰り返しでした。といっても、真夏の暑さでも真冬の寒さでもない、落ち着かない気候と言ったところでしたが。

13日頃には、ヘアリーベッチも、オレガノも、ヤグルマギクも一斉に咲き始めました。それらは5月頃咲く(イメージな)ので、例年よりも2週間季節が早くなっているようです。

その3日後には、キイロスズメバチの女王蜂も飛んできました。巣を襲っていたので、例によって手で捕まえて殺しました。こんな時期にキイロスズメバチを捕まえたのは、初めてです。本来ならまだ冬眠中のはずです。


季節が壊れているかのように感じますが、幸いミツバチは順調に拡大しています。蜜も花粉も大量に蓄え、大波のような気温の変化を乗り越えています。

2022-04-01

今後のブログ運営について

この1年間、毎週の投稿を続けることができました。

今後もブログの更新を続ける予定でいますが、他の活動と併せて持続可能なものにするためにも、これからしばらくの間は3週間ごとに更新することにいたします。

また、これまでは各種質問に対し回答することもありましたが、負担が大きいので今後そうする予定はありません。

今後もご愛読いただければ幸いです。

2022-03-25

ヘギイタダニの「共生」について

「共生」という語は、「相利共生、片利共生、片害共生、寄生、競争、中立」を含む概念です。「相利共生」だけが「共生」ではありません。

https://ja.wikipedia.org/wiki/共生

https://staff.aist.go.jp/t-fukatsu/kyouseihonnsitu.html

だから、ミツバチとヘギイタダニの関係が寄生関係であるとしても、共生関係と言っても間違っていません。

また、ミツバチとヘギイタダニの関係が寄生関係と断言することはできません。生態系は、上の6パターンに分類できるほど単純ではなく、流動的かつ連続的で、ある時は寄生関係でも、ある時は相利共生関係になることもあります。

そのような人間の無知による断定を避けるために、一緒に生活しているようであれば、広く「共生関係」と言うようになっています。

一見寄生関係に見えるものも、何かの役に立っています。ヘギイタダニでさえ、レベルの低いミツバチの遺伝子を淘汰してくれることで、ミツバチの適応性や抵抗性を高めてくれています。

このように、何かを寄生と決めつけるのは一方的な、特に人間の視野の狭さによるものであることが多いため、価値判断を含まない「共生関係」という中立的な言い方をします。

2022-03-18

纏足の文化としての翅切り、顎切り

今回は、皆さんがやっているかもしれないが、わたしはやっていない養蜂技術です。それは、女王蜂の翅切りと、顎切りです。

女王蜂の翅切りは、分蜂や逃去防止のための技術です。翅の一部を切ることで、真っ直ぐ飛べなくしてしまう「養蜂技術」です。女王蜂が飛翔能力を失うことで、不意の分蜂や逃去を防ぐことができるというわけです。

飛翔能力を奪うこと自体問題ですが、その方法も問題です。女王蜂を不具にするのですから。一体どんな罪で、女王蜂はそんな仕打ちを受けなければならないのでしょうか?

顎切りとは、多王飼育する時に使う技術です。通常1群に女王蜂が2匹以上いることはありません。もし、女王蜂は他の女王蜂と遭遇すると、腹部を振り回し刺し殺そうとします。大人しいような女王蜂の凶暴さが垣間見られる瞬間です。

この時に女王蜂は大顎で相手を押さえ込みます。しかし、大顎の一部が欠けているとそれができず、相手を殺すことができず、結果として女王蜂は共存し、多王飼育が実現します。

女王蜂の仕事は産卵でそれに大顎を使うことはないので、実質的に大顎はなくても困ることはないのでしょうが、武器を失った女王蜂はさぞ不安なことでしょう。

ここで再度問いますが、女王蜂は一体どんな罪の故に大顎を失わなければならないのでしょうか?

翅切りも顎切りも、私にはまったく理解できません。

2022-03-11

今年の越冬率について

2月末から暖かくなったもののまだ完全に冬は去っておらず、凍死リスクはまだ残っていますが、貯蜜は十分残っているのでここで越冬成績を確定して良いように思います。

今年の越冬率は75%でした。良くも悪くもない平凡な結果です。

越冬できなかった群れの半分は、ヘギイタダニにやられて弱体化したためと判断しています。もう半分は、ダニの死骸は見当たらなかったので、純粋な貯蜜切れだと考えています。

ダニの影響なく越冬に失敗した群れのひとつは、昨年はギリギリ越冬し、他の群れから1枚分働き蜂を入れて復活させました。ということで、越冬能力の低い女王蜂だったのだろうと考えています。

越冬で死にすぎるのは問題ですが、下位を切っていくことにもなるので、ほどほどの越冬死は必要です。