北海道千歳市にニホンミツバチの野生のコロニーが発見された、との短報が公開されました。
https://jxiv.jst.go.jp/index.php/jxiv/preprint/view/5029
その報告自体は、特段不思議でもなんでもないのですが、そんなことよりも、未だにニホンミツバチを「日本固有亜種」だと主張する職業研究者がいることに驚きました。
ニホンミツバチは、わずか約430年のうちに日本にしか見られないどのような特有の形質を獲得したと言うのでしょうか? それは一体どのような形質で、朝鮮半島のものとどんな差があるのでしょうか? 何を根拠にニホンミツバチを「日本固有亜種」だと言っているのでしょうか? 是非ともご教示願いたいものです。
もしかすると、「在来種」という現在最も危険なタームを避けようとして「日本固有亜種」というタームを用いたのかもしれませんが、「日本固有亜種」には当然の前提として「在来種」の意味が含まれています。つまり、ニホンミツバチを「日本固有亜種」と呼ぶことはそれを「在来種」と呼んでいることと同じです。
ニホンミツバチが「日本在来種」でも「日本固有亜種」でもないことについては、拙訳『全訳 家蜂蓄養記』をご覧ください。人文科学のみならず自然科学(地質学、分子生物学)の観点からも、ニホンミツバチが朝鮮半島由来の外来種であることをご理解いただけます。
以下は、短報の見出しの引用です。
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プレプリント / バージョン1
北海道におけるニホンミツバチApis cerana japonicaの野生巣の発見
坂本, 佳子
国立研究開発法人国立環境研究所
吉田, 尚幸
北海道千歳市
森井, 清仁
国立研究開発法人国立環境研究所
抄録
ニホンミツバチ Apis cerana japonica Radoszkowskiは,アジアに広く分布するトウヨウミツバチApis cerana Fabriciusのうち,もっとも東方に生息する日本固有亜種である.これまで,ニホンミツバチの分布北限は青森県下北半島とされてきたが,2026年に北海道千歳市において野生コロニーの越冬が確認された.ニホンミツバチは北海道に自然分布しておらず,これまでに人為的な持ち込み事例が報告されていたものの,野生コロニーの営巣および越冬の記録はなかった.本報告は,近年の気温上昇により,ニホンミツバチが北海道において定着する可能性を示す重要な知見である.