聖書とハチミツ5--穢れたミツバチの蜂蜜を食する

コシェル 「 聖書とハチミツ4--士師/裁き司 」の続きです。 ユダヤ教には一定の食餌制限があり、宗教的に穢れた動物を食べることはできません。 たとえば、ブタやラクダを食べることはできません。ラクダは反芻しますがひずめが分かれていないからです。一方ブタはひずめは分かれていますが反芻しないからです。 このような現代の日本文化に生きる人々には奇妙に思えるルールは、レビ記の11章に書かれており、「コシェル/カシュルート」と呼ばれています。 昆虫食 このコシェル(食べてもよいもの)と呼ばれる食餌規定の中には、昆虫についても定められています。次のとおりです。 すなわち、そのうち次のものは食べることができる。移住いなごの類、遍歴いなごの類、大いなごの類、小いなごの類である。 しかし、羽があって四つの足で歩く、そのほかのすべての這うものは、あなたがたに忌むべきものである。 レビ記11:22,23(口語訳) いなごは食べて良いようです。バプテスト・ヨハネもいなごを食べていました。しかしそれ以外の昆虫は食べてはならないようです。「羽があって四つの足で歩く、そのほかのすべての這うもの」だからです。 昆虫を「四つの足」とするのはやや気になりますが、細かいことは気にせずに話を進めると、ミツバチは食べてはいけない動物ということになります。 ラビたちの解釈 ハチノコは別として成虫のミツバチを食べることはないので、それほど困ることはないように思われますが、ユダヤ教のラビたちには考えるべきところがあったようです。 次のとおりです。 バーライターbaraita(訳注:ミシュナに収録されなかったラビの言説)からのゲマラGemaraの反論。どのような理由から賢人たちは、ミツバチの蜜は許されていると言っているのか?それは、ミツバチは花の蜜を体に入れて運んでいるが、体のエキスとして蜂蜜を抽出しているわけではないという理由からである。ロバの尿はその体そのものから作られたエキスではないのと同じである。むしろそれは、体に入ったのと同じ形で排出されたに過ぎない。ではなぜそれは禁じられるべきだというのか?[禁じられるべきではない] ゲマラGemaraの答え。ラブ・シシェトRav Sheshetは、非コシェルの動物から出る物質は非コシェルだという原則の例外として慈悲深いお方は蜂蜜を許しておられる、と蜂蜜に関して述べて