アフリカミツバチとヨーロッパミツバチを掛け合わせたら、非常に凶暴なミツバチができ、しばしば死亡事故まで発生する事態となったことは、養蜂家以外にもよく知られた事実です。
この特殊なミツバチは英語では、文字通り”Africanized Honey Bee”と呼ばれています。「アフリカ化したミツバチ」という意味です。
このミツバチの日本語訳に「アフリカナイズドミツバチ」と「アフリカ化ミツバチ」があります。翻訳は自国語(日本語)にするのが仕事です。どちらが日本語らしい訳語と言えるでしょうか。
センスのない翻訳家なら後者の「アフリカ化ミツバチ」を訳語に選ぶでしょう。「アフリカ」も「化」も「ミツバチ」も日本語であるのに対して「アフリカナイズド」は英語の音訳だからです。
「アフリカ化ミツバチ」と訳す翻訳家は、翻訳は自国語(日本語)にするという重大な使命を忘れています。「アフリカカカカカカカミツバチ」(←書き間違いではない)なんて日本語ではありません。「カ」が連続した時点で翻訳失敗です。そんなおかしな日本語はないからです。
では、「アフリカナイズド」はどうかというと、これは一見英語ですが、よくよく考えると日本語です。日本では自国語化した外来語は多く、「○○ナイズド」も立派な日本語だからです。
そのようなわけで、わたしは、”Africanized Honey Bee”を「アフリカナイズドミツバチ」と「日本語」訳しています。