2024-11-22

switchbot CO2センサーで巣箱内のCO2濃度を測定

ミツバチは巣箱の中で2万匹ほどが塊になって過ごしています。しかも、温度を保つために筋肉を動かして発熱しています。さぞや大量の二酸化炭素を吐き出しているものと思われますが、それが具体的にどの程度なのかは知りません。しかし、蜂はこれまで大過なくやってきましたし、巣箱は隙間だらけのあばら家で、しかも巣門は開けっ放しなので、CO2濃度がどうなっているのか知らなくとも特に問題はないのかも知れません。

近頃、switchbot社がCO2センサーを発売しました。switchbot社は、bluetooth接続で巣箱越しでスマホから温度を確認でき、ログも取れる温湿度計も発売しています。それはヘギイタダニ防除の温熱療法で使うことができ、このブログでもしばしば紹介してきました。ちなみに、わたしはそれを9個も持っています。

これまで、CO2濃度を測れるガジェットはありましたが、非常に高価で、そもそもないと困るようなものではないので、食指は動きませんでした。しかしこの度、switchbot社から出たので機は熟したというわけで、遂に手に入れることとなりました。

今回CO2濃度測定を試したのは、1万匹程度の群れです。巣枠の上にCO2センサーをおいて丸1日測定しました。その結果がこれです。センサーは電池駆動の場合30分に1度という低頻度でしか測定しないため、グラフは滑らかではありませんが、大雑把に分かれば良いので特に問題ありません。


夜間、蜂が巣箱で大人しくしている間のCO2濃度は、4000~6000ppm、昼間蜂が出入りしている間は、2000ppm程度と一般化できそうです。蜂とヒトの呼吸器系は異なるので、単純な比較はできませんが、ヒトだと息苦しいか、頭が痛くなりそうな濃度ですね。

巣箱内CO2濃度が分かったところで巣箱を作り変えるわけではなく、直ちにこのデータが役に立つわけではありません。で、このデータが役に立つ場面を考えたのですが、蜂を輸送する時の箱の容量と蜂の数を考える上で役に立つかも知れないと思ったのですが、それよりも輸送の荒らさ/丁寧さの方が重要なように思われます。

2024-11-08

雨窓閑話

今回のお題は、松平定信の『雨窓閑話』です。

さて、貞市右衛門の顕彰本を書いた松本保千代はかなりデタラメな人で、その内容の誤りの多さには目を覆うものがあります。

松本はその著書の中で、書名も示さずに「松平定信が熊野での養蜂の実態を書いている」としていたので、私は山のような松平定信の著書からそれを探し出す羽目になりました。

しかし出てきたそれは、熊野の養蜂とはかけ離れたタダの狂言でした。それがこれです。

https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000037701&ID=M2018061809530848088&TYPE=

29コマ目からです。

熊野から蜂と蜂蜜を買って来ることしか書かれておらず、熊野での養蜂はまったく分かりません。

日本の養蜂史を歪めた松本や、それが祀り上げた貞市右衛門のことなど書きたくもないのですが、その点は指摘しておく必要があります。

対して、松平定信です。彼がミツバチに肩入れしていたのは間違いありません。おそらくは、ミツバチの有用さ、勤勉さ、明確な身分関係などが、理想的な生き物に思えたからだろうと思います。

松平定信といえば福島ですが、厳密には白河です。福島は他にも会津や磐城もあり、それらのミツバチにはまたそれぞれ曰くがあります。それらについてはいずれどこかで公表したいと思っています。