拙著『ミツバチのダニ防除』に、「今の日本の養蜂家が取り組むべき課題は、サバイバルテストである」と書きました。
これは論文を読んでやってみたかったことですし、そろそろその頃合いだという手応えを感じていたので、サバイバルテストを実行することにしました。
その結果は興味深いもので、ある系統の群れの越冬率は約2割でしたが、別の系統は、約7割でした。一方は壊滅的、もう一方は並み程度。この結果は、抵抗性系統の選抜に成功した可能性を示唆します。それが考えすぎだとしても、少なくとも相対的な抵抗性の差は顕れました。
今度の強烈寒波のおかげではっきりしたと言えます。系統の良し悪しには気づいていましたが、確信が持てずにいました。自ら女王蜂に手をかけることに躊躇していたところ、「自然」が代わりにやってくれたという具合です。
私は、自分の頒布している蜂群を「ヘギイタダニ抵抗性のある蜂群」だと喧伝して頒布する気はありません。よその土地で同じ結果が出せる保証はないからです。そうする代わりに私は、「ヘギイタダニ抵抗性のある蜂群」の安定的・客観的な「見分け方、選抜の仕方」を提供したいと考えています。