私は『ミツバチのダニ防除』では、「巣板」に揃えました。別のケースでは「巣脾」に揃えています。
明治や大正、戦前の養蜂書ではもっぱら「巣脾」という語が使われています。江戸時代から既に“comb”は、「脾」だったからです。いつからか「巣脾」を「巣板」と呼ぶことが増えてきており、今は「巣板」が優勢です。
ただ、「巣板」と呼ぶべき理由は特になく、元々は「巣脾」だったのだから、私は「巣脾」が正しいような感触を持っています。
英語では“comb”なので、これをさらに細かく使い分ける必要も特に感じませんが、巣礎を使ってできた“comb”、あるいは巣枠に作られた“comb”は「巣板」で、そうでないものが「巣脾」のようなイメージを持っています。
養蜂は、法学や哲学、解剖学ほど術語に厳密性は求められていないので、「細かいことは気にしない」というのも可です。