今後のブログ運営について 4月 02, 2021 この1年間、隔週の投稿を続けることができました。今後もブログの更新を続ける予定でいますが、他の活動と併せて持続可能なものにするためにも、これからしばらくの間は再び1週間ごとに更新することにいたします。また、扱う内容として各種質問に対する回答も加える予定でいます。今後もご愛読いただければ幸いです。
聖書とハチミツ2--古代イスラエルにおける養蜂 9月 18, 2020 「 聖書とハチミツ1--復活後のイエスはハチミツを食べたのか? 」の続きです。 人類は有史以前から蜂蜜を採取してきました。古代エジプトの壁画からも養蜂が行われていたことが分かっています。 古代イスラエルの様子を垣間見させてくれる聖書の中には蜂蜜の記述はありますが、養蜂についての記述はありません。しかし、イスラエルでは少なくとも紀元前1000年頃、すなわちソロモン王朝の頃には既に養蜂が行われていたようです。 テル・レホブの遺跡 テル・レホブというヨルダン川西側には遺跡があり、そこから養蜂箱が発掘されています。養蜂箱といっても、現代使われている四角い木箱ではなく、藁を混ぜて補強した泥を日に干して固めた円筒形のものです。直径40cm、長さ80cm、厚さ4cmですが、容量は約56リットルと現代の養蜂箱と同じ程度です。 この円筒形の養蜂箱はエジプトやメソポタミア周辺でよく使われていたタイプのもので、イスラエル独自のものではありません。イスラエルの養蜂は近隣国から伝えられたのでしょう。 種蜂の輸入 発掘された円筒形の養蜂箱には蜜蝋が残っており、その中に閉じ込められ保存されていたDNAを分析したところ、飼っていたミツバチは地元の攻撃的なミツバチ(シリアミツバチ;Apis mellifera syriaca)ではなく、アナトリア半島(現在のトルコ)の生産的なミツバチ(アナトリアミツバチ;Apis mellifera anatoliaca)だったことが明らかになりました。今から3000年前のイスラエル人は周辺国と交易があり、養蜂に適したミツバチをわざわざ輸入していたことが分かります。 現代でこそ育種のために他のミツバチを輸入することは行われていますが、それが飛行機もない3000年前に行われていたのは驚きです。また、ユダヤ教は異邦人に対して排他的なように思われがちですが、そのような態度は司祭階級や熱心な信者の間に限られ、末端においては必ずしもそうでなく、交易を通して異国の技術や産業を採り入れていたことが伺えます。 養蜂を行っていたユダヤ教エッセネ派 このテル・レホブの養蜂場は、災害か戦乱かは不明ですが、火災により放棄されたようです。それでもイスラエルで養蜂が途絶えた訳ではありません。 フィロンの『ヒュポテティカ』(十一Ⅰ-18 続きを読む
上荘養蜂場のショッピングサイト 7月 05, 2019 7月1日から、ミツバチの販売を開始しました。 上荘養蜂場ショッピングサイト このブログからサイトへ移動するには、上のリンクをクリックするか、トップページ左上にあるバーガーアイコン(≡)をクリックし、表示されたリンクから移動してください。 現在販売しているのは、花粉交配用の蜂群と女王蜂のみです。 蜂の量 1枚のカウントは、巣枠の全面(表裏両面)に蜂がビッシリ付いている状態で1枚とカウントしています。もちろんピッタリ片面に1000匹(両面に2000匹)いるわけではありませんが、数えるとだいたいそれくらいいます。 2枚群なら上の巣枠を2枚、3枚群なら上の巣枠を3枚、と言いたところですが、「女王蜂がいる巣枠がたまたま蜂の数が少ない巣枠だった」という場合には、もう1枚足すようにしています。 輸送用巣箱 ミツバチの輸送には、プラスチック製の巣箱を使っています。プラスチック製ですので、水に濡れても平気です。水やりの時に濡らしてしまっても、変形したり潰れたりする心配はありません。輸送においても壊れることは(めったに)ないでしょう。 黄色の円盤は、出入り口の蓋です。 今回は2枚群の注文でしたので、蜂量調整のため、巣枠を3枚入れています。 蓋を閉め、テープを何重にも巻いて蜂が逃げないようにしました。 さらに、(あってはなりませんが)万一蜂漏れがあった場合のときのために、網袋の中に入れました。これで万全です。 また、「蜜蜂在中」と書いたラミネートを上面に貼り付け、運送者にミツバチが入っていることが分かるようにしています。 伝票ラベルや天地無用のシールは、このラミネートの上に貼られています。網の上に貼ることはできないですからね。 このラミネートには、簡単な「使用手順」も記しています。シールやラベルを剥がしてご覧ください。 続きを読む
養蜂場ができるまで--開墾 6月 14, 2019 上荘養蜂場は、上荘のある方の農地をお借りし運営しています。 蜂はめったに人を刺すものではありませんが、人に恐怖心を抱かせてしまう問題があります。近くに/家の中に飛んできただけで大騒ぎになるのは珍しいことではありません。そもそも絶対に刺さないわけでもありません。不用意に近づくなら蜂刺事故も起こりえます。 そのような問題があるため、人が寄り付かないところを探していました。幸い理想とするところに農地があり、そこを貸していただくことができました。しかし、その農地は長年使われていなかったため、草木が生え放題になっていたのです。 養蜂も農業の一種ですが、田畑で植物を育てるわけではありません。極端なことを言えば、蜂が住む巣箱を置くことさえできればそれで十分です。しかし、だからといって藪のままで良いわけではありません。 草が生えたままではマムシが出やすいですし、マダニに取り付かれる恐れもあります。イバラのトゲに引っかかれば服が傷んだり破れたりしてしまいますし、ツタに足を引っ掛けて転倒する危険もあります。なによりも、荒れた農地を見ていると心が荒みます。 そこで、徹底して開墾することにしました。 これが、作業を開始する前の様子です。 なんと形容すべきでしょうか。立派な耕作放棄地? 原野化しています。 笹、イバラ、セイタカアワダチソウ、クズ、カラスウリ、その他さまざまな草木に覆われています。 農地は一度雑草に覆われてしまうと、耕作には不適になります。 作物を育てようとしても、数年間は雑草と格闘することになってしまいます。 そのようなわけで、耕作をやめて数年経った農地は、借り主に敬遠されるようになり、ますます荒れてしまう悪循環に陥ります。 幸い養蜂は、雑草が多少生えたとしても直ちに困ることはありません。 草刈りは容易ではありませんでした。草木は縦にも横にも互いに絡み合っており、根本を刈るだけでは倒れてくれません。根本を切っても上で繋がっていてぶら下がったままです。そのため、草刈り機は横だけでなく縦にも動かさなけれなりませんでした。 無我夢中になって草刈り機を振り回しました。一体いつになったら終わるのでしょうか。 結局草刈りは、あらかた刈るのに3日、細かいところを含めれば1週間を要しました。 大分すっ 続きを読む