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人工飼料給餌について

言うまでもなく養蜂は農業であり養殖業のひとつです。しかしその養殖対象は昆虫なので、ウシやブタやニワトリの養殖とは趣きを異にしています。最も大きな違いといえば、それは餌やりで、ウシやブタやニワトリは餌をやり続けなければならないのに対し、ミツバチは自ら餌を探しに行くことから、基本的に餌やりの必要はありません。

しかし、過度に「効率化」させた養蜂の場合には餌やりは不可欠となり、他の養殖業と変わらなくなります。


砂糖水と代用花粉



ミツバチの餌とは、蜂蜜の代わりとなる砂糖水と、花粉の代わりとなる黄な粉(大豆粉末)あるいはビール酵母です。これらを花が少ない時期に、すなわち蜜源枯渇期である冬(冬季に給餌はできないので晩秋に行います)、梅雨、夏の時期に与えます。

通常このような人工飼料を与える必要はないのですが、商業的な養蜂に近づくと人工飼料給餌は当たり前のこととなり、春と秋以外は暇があれば砂糖水と黄な粉をやりつづけることになります。まさに「養」蜂です。

極端なことを言いえば、砂漠の真ん中であろうと、コンクリートしかない工業地帯であろうと、砂糖水と黄な粉を与え続ければミツバチを飼うことは可能です。しかしそれが持続可能な「養蜂」かと問われるなら、否と言わざるをえません。


過度の搾取と養蜂の適地



まず、砂糖水や黄な粉だけでは栄養に偏りがあるため、ミツバチの健全な成長は望めません。実際のところ、砂糖水と黄な粉で育てたミツバチは寿命が短くなるようです。人工飼料を与えている養蜂家は、それがミツバチの健康を損なっていることを十分意識すべきです。

次に、人工飼料自体コストがかかることも問題です。数群程度なら趣味の範囲なので問題になりませんが、群数が増えるほど費用はかさみます。また、特に砂糖水給餌は、販売用蜂蜜に混ざってはならないので、除蜜という面倒な作業を伴います。作業が増えるデメリットを押してまで砂糖水給餌に頼るのは養蜂のメリットを失っており、本末転倒のことのように思えます。

ここで基本的に立ち返って考えてみましょう。自然で暮らすミツバチは人間からの砂糖水や黄な粉を期待することはなく、またそれに頼ることもありません。ミツバチは餌が不足する時期に備えて自ら餌を備蓄しています。それが足りないというのは、搾取し過ぎているか、そもそも蜂を飼うべき所ではなかったということです。

基本的に養蜂は、蜜源が豊富なところで行うべきであり、人工飼料給餌に頼りながら行うようなものではありません。急を要する異常事態でもないかぎり人工飼料給餌を行うべきではありません。

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