私の所有している巣板の多くが、幾つかの穴が空いています。その穴は蜂の通り道になっており、巣内活動の円滑化に資しています。なぜそのようなことになっているのかというと、全面巣礎は、ほぼ使っていないからです。
無巣礎や半巣礎で巣板を作らせている人なら、ミツバチが整然と六角形の巣房を作るなぞ嘘っぱちであることはご存知でしょう。人の観点からは雑然として見える巣板も、ミツバチにとっては最も合理的で理想的なものですが、人の眼から整然とした巣礎からできた巣板は、蜂にとっては不自然で異様なものです。
その巣礎でできた巣板に穴を空けるなら、自然にできた巣板に近づきます。蜂は自分で巣礎に穴を空けることができません。だからこそ、人がそうしてやるのです。そうするなら、冬の蜂球の一部が凍死するという奇妙なことは起きなくなります。巣板の穴を通って移動するからです。
巣板に穴を空けるなら、越冬率が向上するだけでなく、普段の蜂の仕事の効率化にも資します。これからは、穴あきの巣板を使うようにしていきましょう。