ヘギイタダニには、日本系統(ジャパンハプロタイプ)のものと、ロシア韓国系統のものがあります。かつては両系統いましたが、最近は日本系統のヘギイタダニは割合を減らし、ロシア・コリア系統が優勢のようです。
そのため、「日本系統のヘギイタダニは有害ではないが、ロシア韓国系統が凶悪だ」と言われ始めています。これは、かつてと比べて今の方、つまりここ20年の間ヘギイタダニ対策の難度が上ったことと軌を一にしていることも根拠になっています。しかし果たしてそのような事は、ありえることなのでしょうか。
まず述べておかなければならないこととして、日本系統のヘギイタダニも十分有害です。防除をしなければ蜂群は滅びます。また、ロシア韓国系統のヘギイタダニであっても、サバイバルテストの結果、無治療でも共生が可能になっています。そのような事実を考えれば、どちらが有害とかそうでないとか、言えるものではないでしょう。
それよりも検討に値するのは、ネオニコチノイド農薬とアピスタンが使用された時期との関係です。ネネオニコチノイド農薬が広く使われるようになった事がミツバチの能力を弱め、その結果、ヘギイタダニに対処しづらくなっているという説も成り立ちます。また、アピスタンについても、それがミツバチの能力を弱め、ヘギイタダニを進化させたという説も成り立ちます。
むしろこれらの説の方がより説得的に感じられます。他にも、花粉交配用ミツバチの仕入先が沖縄にシフトしたこともグレーです。
SNS界隈の、ネオニコチノイド農薬を手放せない農家は、ミツバチに与える影響を過小評価して互いにフィルターバブルに陥っていますが、そのような精神態度が誤りであることは言うまでもありません。