しばしば国文学者が古い文献を引用して、「それは○○という書物にこう書かれている」と知識をひけらかすことがありますが、それはそういう事項索引のようなものがあるからです。
それは『古事類苑』といい、明治よりも前の国書を網羅した「類書」です。
慣れた範囲なら『古事類苑』に頼る必要はないでしょうが、知らない分野なら、まずはこれで当たりをつけるのが、国文学者の常套テクニックです。
もっとも、『古事類苑』がすべての文献を網羅しているわけではありませんし、間違って分類しているものもあるので鵜呑みにはできません。それでも、確認に使う程度なら今でも有用です。
『広文庫』第16冊 44コマ以降
https://dl.ndl.go.jp/pid/969110/1/44
『古事類苑』とコンセプトを同じくするものに『広文庫』があります。物集高見という人物が編纂したものです。『古事類苑』と被っているところもありますが、そうでないものもあります。
これには、『想山著聞集』の「仁智蜂」も収録されています。49コマ目です。
また、私はかつて、物語の「忠臣蔵」にミツバチが出てくるシーンがあると聞いたことがあり、それがどこにあるのかずっと探していたのですが、それが『赤城義臣伝』の「忠臣蔵」だということを、これから知った次第です。51コマ目です。