2024-06-07

国文学者のあんちょこ『古事類苑』と『広文庫』

しばしば国文学者が古い文献を引用して、「それは○○という書物にこう書かれている」と知識をひけらかすことがありますが、それはそういう事項索引のようなものがあるからです。

それは『古事類苑』といい、明治よりも前の国書を網羅した「類書」です。

https://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/index.php?%E5%8B%95%E7%89%A9%E9%83%A8/%E8%9F%B2%E4%B8%AD#E89FB2E4B8ADE89C9CE89C82

慣れた範囲なら『古事類苑』に頼る必要はないでしょうが、知らない分野なら、まずはこれで当たりをつけるのが、国文学者の常套テクニックです。

もっとも、『古事類苑』がすべての文献を網羅しているわけではありませんし、間違って分類しているものもあるので鵜呑みにはできません。それでも、確認に使う程度なら今でも有用です。


『広文庫』第16冊 44コマ以降

https://dl.ndl.go.jp/pid/969110/1/44

『古事類苑』とコンセプトを同じくするものに『広文庫』があります。物集高見という人物が編纂したものです。『古事類苑』と被っているところもありますが、そうでないものもあります。

これには、『想山著聞集』の「仁智蜂」も収録されています。49コマ目です。

また、私はかつて、物語の「忠臣蔵」にミツバチが出てくるシーンがあると聞いたことがあり、それがどこにあるのかずっと探していたのですが、それが『赤城義臣伝』の「忠臣蔵」だということを、これから知った次第です。51コマ目です。