2025-09-12

『欽定古今図書集成』

陳夢雷『欽定古今図書集成』 (1728)と言って、それが何のことだか分かる人は、一体どれだけいるでしょうか? 「言うなればそれは『中国版古事類苑』です」と書くと、「『古事類苑』とは何ぞや?」となってしまうわけですが。これらの文献について私は、執筆しながら学んでいきました。

中国人なら中国の古典に通じていると期待できるので、中国人の論文などを読んでいくうちに様々な文献があることを知り、その文献を探しているうちに『欽定古今図書集成』を見つけることができました。

中国文学を専攻していれば当然知っているような文献なのでしょうが、私にはそういうバックグラウンドはなく、また指導者もアドバイザーもいないので、手探りの末にたどり着きました。それがこれです。

https://cnkgraph.com/Category/欽定古今圖書集成/蜂/4628

上のどちらも内容は同じです。漢字なのに読めないのは簡体字が使われているからです。現代中国語は簡体字問題があるため、過去の文献は直接原典を読んだ方が分かりやすいです。

中国は自国の古典を翻刻し、データベース化しており、非常に調査が捗りました。Chinese Text Projectは、そのようなデータベースの一例です。方や日本はというと、国会図書館と国立公文書館がスキャンした画像データはアップしているものの、翻刻データはほとんどアップロードされていません。この点日本は大幅に遅れており、古典に対する国文学者の意識の差が表れているように感じます。

もし日本の国文学者が、昨今の古典離れや古典不要論を嘆くのなら、まずはこのような古典へのアクセス問題を解消する努力を払うべきではないかと考えます。