無巣礎養蜂の実践


巣礎とは


現代の養蜂、すなわち19世紀以降の養蜂では、「巣礎(すそ)」が用いられています。巣礎とは、蜜蝋にパラフィンを混ぜた物質をシート状にし、それに蜂の巣房とほぼ同じ六角形の凸凹をプリントしたもののことです。
この巣礎を用いると、2つの点で養蜂は容易になります。一つは、巣脾(すひ)、すなわち蜜を溜めたり幼虫を育てたりするのに用いることができる完成された巣を早く作ることができるようになります。もう一つは、パラフィンのおかげで巣脾の強度が増すので、遠心分離機で蜜を搾りやすくなります。

そのため、この「巣礎」は、現在の養蜂では当然のように、疑問にされることなく用いられています。
しかし、この巣礎は自然には存在しないものです。人間がその知恵(浅い知恵)を絞って作り出したものです。一見この巣礎によって養蜂の生産性は向上したように思えますが、それは間違いないことなのでしょうか。何か見落としているといったことはないのでしょうか。

その「何か」が何であるかを明確にすることはできないとしても、巣礎を「用いない」なら自然な状態の養蜂に一歩近づくことができるはずです。

そこでわたしは、巣礎を用いない「無巣礎養蜂」を実践しています。


無巣礎養蜂の方法


巣枠の上部、桟にあたるところ(上桟、英語ではtop bar)には細い溝が彫られています。そこは、巣礎を差し込むところなのですが、そこに蜜蝋を詰め込みます。なお、詰め込む蜜蝋には、無駄巣や、採蜜時に出る蜜蓋を利用しています。

このような具合に蜜蝋を溝に詰め込みました。
この巣枠を巣箱に放り込むだけです。


無巣礎養蜂の巣盛りの様子


その結果がこれです。
詰め込んだ蜜蝋を頼りに巣脾を伸ばしています。

これは別の巣枠ですが、同様に巣を造っています。

巣枠いっぱいに巣が造られました。巣礎を用いなくても巣を造ることはできるのです。
造巣の速度は、巣礎を用いたときと比べるなら、遅いと言わざるを得ません。この程度になるまでに1週間はかかったでしょうか。もし強群で群れに勢いがあるなら、もっと早くできるはずです。しかしこれで良いのです。増群ペースを無視して無理に巣造りをさせても、蜂が巣内で分散してしまうだけです。

どうであれ、この巣は蜂が必要に合わせて自ら造ったものです。巣房の大きさも、厚さも、増群ペースも、すべてが蜂にとって最も望ましいものであることは間違いありません。

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