2019-12-27

聴診器内検

越冬対策を済ませた養蜂箱は、特別な用でもない限り、春になるまで蓋を開けることはありません。そんなことをしても巣箱内の温度を無駄に下げるだけだからです。

冬でも風のない温かい日は蜂の出入りが観察されます。蜂が出入りしていれば群れは機能していると考えられるので一先ずは安心です。また、元気な群れなら箱に近寄ると巣門のあたりから羽音が聞こえて来たりもします。蓋を開けなくても中の様子を推察することは可能です。

しかし、蜂数が少ない弱群の場合は、蜂の出入りは見られず、羽音も聞こえてきません。凍えていないか心配になります。蓋を開けずに中の様子を知る方法はないものでしょうか?そこで、聴診器を当ててみることにしました。
これは医療用の聴診器ではなく、工業用の聴診器です。機械が正常に動作しているか、異音を発生させたりしていないかを知るための道具です。これを巣箱の側面や蓋、窓、ネジなどに当てると内部の音を容易に聞き取ることができます。

もちろん、聴診器を当てても中を見ることができるわけではありません。音の大きさが分かる程度で、そこから中の様子を想像するに過ぎません。それでも、少しは察することができます。養蜂箱の中で蜂たちは寒さのためにかたまって震えていそうなものですが、意外と動き回っていることがわかります。

蜂の数が多ければ羽音は大きく、少なければ小さくなります。もの音一つ聞こえなければ、それは貯蜜切れ等で凍死しているか、その寸前です。

分蜂の恐れのない群れを音の大きさや羽音の様子で内検を済ませられるようになれば、作業の効率を上げられるかもしれません。今後の課題です。

「わたしの養蜂具――虫眼鏡」に続きます。