アメリカ合衆国のミツバチ研究者トーマス・シーリーの近著"The Lives of Bees"の翻訳が今年の2月に刊行されました。原書は良いのですが、青土社から出た翻訳は、残念ながら非常に大きな問題を抱えています。
このブログの読者なら既にお気づきでしょうが、この訳書の表紙の蜂はミツバチではありません。
ミツバチの特徴は腰がくびれているところです。訳書の表紙の昆虫はどこをどう見ても腰はくびれていません。背中の盾板もミツバチのものではありません。翅脈もめちゃくちゃです。種類はよく分かりませんが、何らかのマルハナバチを描いているように見えます。ハナバチも蜜を集めるので広い意味ではミツバチですが、訳書の主役であるApis melliferaではありません。
翻訳者や編集者、装丁デザイナー、出版社らは誰も気づかなかったのでしょうか。
こんな表紙では養蜂家が手にしないとしても仕方ありません。わたしが著者なら目眩がして寝込んでしまうでしょう。