2025-12-26

今年のまとめ

今年の気候は、例年とは大きく異なり養蜂の継続に困難を覚えるほどのものでした。

まず、冬が長引き、蜂の起ち上がりが遅れました。ニセアカシアの時期には間に合わず、蜜が貯まり始めたのは、大量流蜜期の後半に差し掛かってからです。その結果、蜂蜜は凶作でした。

私の養蜂スタイルは、採蜜重視ではないので、今年の蜂蜜は、日ごろの感謝で知人に配るほか、直接取引希望者に配って終わりで、一般販売には至りませんでした。

また、冬が長引いたことと関係があるのでしょうが、全国的に蜂不足のため、問い合わせが多数ありました。需要にはなるべく応えたので、今年の管理蜂群数は小規模でスタートすることとなりました。まあでもこれは、目論見通りです。なるべく数を減らしたかったので。

昨年は管理蜂数が多く、ずっと疲労困憊し、腱鞘炎にもなりました。体を休めるだけの日々で、自分の仕事に手が回りませんでした。真夏は暑さでくらくらすることもあり、空調服程度ではどうにもならず、根本的に蜂数を減らすしかないと考えていたのです。

今年の夏は、ご存じのとおり、これまで経験したことのないような暑さで、夜明け前に家を出て日の出前後に内検を行いましたが、それでもきつく、命の危険を感じるほどでした。もし昨年並みの規模で蜂を管理していたら、倒れていたと思います。

夏の間の養蜂場の草刈りは無理というものです。しかしその結果、養蜂場はこれまでにないほど雑草に覆われるはめとなりました。気温が下がった九月の終わり頃から除草に取り掛かりましたが、それもまた重労働。除草は毎日少しずつ行うのが理想ですが、理想も暑さの前には吹き飛ぶというものです。

なんであれ苦痛になるほどならやらないのが、私のスタンスです。養蜂はやれればやりたいですが、必ずしもやらなくてもよいことです。来年はさらに規模を縮小させる予定でいます。

ダニ問題については特に困っていません。怪しい群れもあるにはありますが、基本的にどの群れもダニの影響を受けておらず順調です。越冬用の蜜は十分溜まっています。ダニ問題を克服することができ、その技術を日本の養蜂家の皆さんにお分けできたのは良かったですが、暑さを克服する方法はまだ知りません。

今年はオオスズメバチに6度ほど刺されました。二回さされるとアナフィラキシーショックで死ぬとか言われていますが、なかなか死なないものです。割と大げさに腫れますし、刺されたところは痛いですが、それでも理解できるレベルの痛さです。

一方、ムカデは強烈です。今年のことですが、人差し指を一噛みされただけで、瞬時に激痛が走り余りの痛さのために動けなくなるほどです。腕は動かせず、右胸まで痛み、三時間ほど痛みのために悶絶しました。しばしば映画などで、毒を塗った吹き矢に撃たれて瞬殺されるシーンがあり、毒がそんなに速くまわるわけがないだろと思っていましたが、それは演出ではなく現実でした。

ムカデの毒は、ミツバチやオオスズメバチとは違って、大きく腫れることはなく痒くもなく、しかも半日で落ち着き一日で快癒するものでした。実際に経験しないと毒にも違いがあるということを実感できないものです。