2026-06-19

推薦図書としての『全訳 家蜂蓄養記』

『全訳 家蜂蓄養記』刊行からおよそ二年半が経ちました。この間、さまざまな方面から高い評価をいただき、また江戸時代の養蜂実態の理解は深められ、ニホンミツバチの起源に関する学説も変わりつつあります。

多くの図書館に置かれ、公共図書館のみならず、大学図書館や研究所図書館にも配架される栄誉に浴しています。把握しているだけでも下のような大学図書館において、学生が読むべき図書として推薦いただきました。

  • 人間環境大学附属図書館:教員推薦図書
  • 県立広島大学学術情報センター:地域資源学科選書
  • 京都府立大学附属図書館:学習基本図書(学科推薦図書)

かつて国文学の分野では、古代中世の文献に一応「蜜」や「蜜蜂」が少ないながらも出てきますが、養蜂が行われていた気配はなく、イマイチ具体的でないのが問題になっていました。一方で養蜂関係者・ミツバチ研究者が「ニホンミツバチは太古の昔から日本にいる在来種で、日本人とともに生きてきた」と自信満々に言い、マルハナバチの蜜には全く見向きもしてこなかったため、国文学者は渋々文献上の「蜜」をミツバチの蜂蜜とするか、言及しないかしてきました。

そのような状況の中、『全訳 家蜂蓄養記』によって、それらがマルハナバチ由来の少量の蜜であり、古代中世の日本にミツバチはそもそもいなかったことが論証され、古代中世の曖昧な「蜜」問題が解決されました。おそらく、この業績を評価いただいた結果だと考えています。

私はこの業界に知己はないので、直接面識のない先生方が掛け値なしに評価された上でご推薦くださったことに感謝申し上げます。