このような中、蜂たちは厚さ1.5cmほどの板でできた養蜂箱の中にこもっています。それにしても蜂たちは、寒さのために凍えてしまうことはないのでしょうか。
そこで、巣箱内部の温度がどうなっているのか、デジタル温湿度計を使って計ってみることにしました。
下の写真のデジタル温湿度計はSwitchbotと言う商品で、Bluetooth通信でログを取り出すことができます。わざわざ蓋を開けなくても、近くでスマホを操作して巣内の今と過去の温度(と湿度)を知ることができます。
温湿度計は巣枠の上に置きました。蜂球の温度までは分かりませんが、上に逃げた空気の温度は分かります。
巣箱内の温度の記録を取ったのは、11月末の寒波がやってきた3日間(11/27 14:00 -- 11/30 13:00)です。そのデータをグラフにしたのがこれです。
28日から29日にかけては養蜂場を(というか日本列島を)寒気が襲い、明け方には1、2℃程度まで下がっています。それでも、巣箱の室温は10℃程度まで維持されています。これは巣箱の上の方の温度なので、蜂球部分はもっと暖かったはずです。
また、29日の昼の外気温は12.5℃と低めでしたが、日が照ったおかげで巣箱内部の温度は26.3℃まで上昇しています。巣箱の中は十分に暖かったことが分かります。
以上から、巣箱内の温度は外気の影響を受けるものの、外気よりも概ね10℃ほど高いことがわかります。人間の家よりも暖かいくらいです。「寒さのために蜂たちが凍えてしまう」というのは心配のし過ぎでした。
巣内の熱の源は蜂蜜です。蜂たちにとって蜂蜜はウォッカのようなものなのでしょう。蜂蜜がある限り、氷点下でも蜂たちはなんとか凌ぐはずです。蜂蜜が尽きないことを祈るばかりです。
「ビニール袋は保温に役立つか」に続きます。