2021-07-16

意外と軟弱なヘアリーベッチ

今年のヒマワリ」の続きです。

3月末から3か月間にわたって咲き誇ったヘアリーベッチもほぼ終了しました。

この3か月の間、驚くべきことに養蜂場のミツバチはほとんどヘアリーベッチを訪花することはありませんでした。河川敷に行けばヘアリーベッチ畑で乱舞しているミツバチを見るのは容易いことなのに、養蜂場ではまったく見向きもされなかったのです。

ヘアリーベッチが蜜を出していなかったわけではありません。スジボソコシブトハナバチは熱心にヘアリーベッチを訪れていたからです。また、ミツバチが遠くの蜜源植物に気を取られていたわけでもありません。ヘアリーベッチの横に生えていたレンゲやヤグルマギクには訪花していたからです。

こうした事実から言えるのは、ヘアリーベッチはヤグルマギクよりも魅力のない蜜源植物であるということ、また春の上荘エリアではヘアリーベッチよりも有力な蜜源植物が他にあるということです。

わたしは河川敷のヘアリーベッチとミツバチを見て非常に有力な蜜源植物だと考えましたが、それは蜜源が乏しいエリアでの話だったのです。わたしの養蜂場では用なしでした。何事も実際に試すことが重要であることを痛感します。

しかしこのことによってヘアリーベッチの価値が下がるわけではありません。ヘアリーベッチは緑肥としても使えますし、レンゲ同様に根粒菌によって土壌を栄養豊かにしてくれます。また、雑草抑えの役割を果たしてくれます。


この写真はヘアリーベッチが役割を終え、枯れた様子です。枯れ草が地面を覆い雑草の伸張を防いでいます。荒廃農地の草抑え役として使い出はあるようです。

他にも発見がありました。河川敷を征服したかのように見えるヘアリーベッチは、さぞ繁殖力の高い駆除困難植物と思われるかもしれませんが、押し返すだけで枯れてしまいます。意外と軟弱者です。

ところで、ヘアリーベッチは「適切な管理が必要な産業上重要な外来種」に指定されています。これはアレロパシーで他の植物を枯らす可能性があるからです。耕作放棄地などで撒く分においてはむしろ適切と言えるでしょう。

ミツバチとレモンバーム」に続きます。