「ハチはなぜ大量死したのか--農薬」の続きです。
真っ先に疑われるのが農薬ですが、他の群れではそのようなことは起きていないようなので、農薬ではないのかもしれません。
巣箱を開けると床一面に死骸が転がっていました。
よく観察すると、死骸の中で団子になっている蜂の塊がありました。喧嘩があったようです。
喧嘩というのは他の群れの蜂が間違って別の巣に入った時に起きますが、それほど大規模にはなりません。蜜を集めに行った働き蜂が巣を間違えてしまうことは、巣箱を入れ替えたりしない限り、なかなか起こらないことだからです。
上のように大乱闘とでもいうべき喧嘩は、他の群れの女王蜂が別の巣箱に入った時によく起きます。そのような事故は、内検の最中に女王蜂が逃げ出してしまい、他の群れに迷い込んだ時に起きることがあります。今回の大量死も、女王蜂が原因でした。
これが女王蜂です。働き蜂と比べると違いは一目瞭然です。
今回の大量死の原因となった女王蜂は、交尾飛行から戻る時に巣を間違えてしまったようです。その証拠に、ある巣では、交尾飛行に出る頃の女王蜂がいなくなっていました。
巣箱は互いに十分離れており、また地形も特徴的なため、誤帰巣は想定していませんでした。このような事故は今後も防ぎようがありませんが、低い帰巣能力をもった遺伝子を増やすわけにもいかないので、これはこれで良しとしなければなりません。
「ハチはなぜ大量死したのか--オオスズメバチ被害」に続きます。