「ハチはなぜ大量死したのか--女王蜂の誤帰巣」の続きです。
雨で気温が下がったその日は一匹も来ず、その翌日からは一、二匹程度になり、その傾向は続いています。このように襲撃行動に変化があったのはオオスズメバチだけではありません。キイロスズメバチやコガタスズメバチもほとんど来なくなりました。
スズメバチがミツバチの巣を襲うのは、幼虫の餌を効率良く集めるためです。今の時期のコガタスズメバチやキイロスズメバチは、新女王蜂の育成を終えており、群れは解散状態になっているため、特にミツバチを積極的に襲う必要がありません。今来ている一部のキイロスズメバチは惰性で来ているように思われます。
オオスズメバチはまだ群れを解散させてはいないはずですが、幼虫や蛹の数は減っているものと思われます。また、先日の低温は産卵停止の切っ掛けになったのかもしれません。
幼虫の餌の必要が少なくなると、オオスズメバチはミツバチを無理に襲わなくなります。そのようなわけで、スズメバチガードを外したのですが、早速オオスズメバチの襲撃に遭ってしまいました。
全滅はしていませんが、戻ってきた外勤蜂が殺られてしまいました。結果論で言うと、外すのが少し早過ぎたということになります。12月になるまでつけているのが最も安全ですが、蜂の出入りを妨げる原因にもなっているので早く外したかったのです。
幸い、被害はそれほどではなく、群れは現状維持といったところでした。
襲撃現場に居合わせたわけではありませんが、ミツバチを襲ったのはオオスズメバチの新女王蜂だったのかもしれません。というのも、仲間を呼んだ形跡はなかったからです。働き蜂なら、巣を発見後仲間を連れて集団で襲っていたはずです。
これは昨日捕まえたオオスズメバチです。おそらく新女王蜂です。文庫本の長さは約15cmなので、このオオスズメバチは4cmほどありそうです。普段見かけるオオスズメバチよりも一回り大きく、あまりの大きさにギョッとします。
新女王は来年活躍します。今は冬眠の準備を行っており、その一環としてミツバチを襲ったのかもしれません。
「ハチはなぜ大量死したのか--農薬による蜂群崩壊」に続きます。