養蜂家になるとはどういうことか2

養蜂家になるとはどういうことか」の続きです。



初心者を騙そうとする悪徳商人に注意


ミツバチを飼ってみたいという気持ちを持つのは良いことですが、ミツバチの飼育は簡単ではありません。考えてみてください。もし誰にでも飼えるのなら、職業や業としての養蜂はありえないでしょう。

世間には「週末養蜂」とか「初心者でもできる」とか「裏庭養蜂」などと耳触りの良いことを言っている人もいますが、そのような人々は、高価な養蜂具や種蜂を買わそうとしている人々です。もし本気でそう唱えている人がいるなら、その人の養蜂に対する認識はその程度のものでしかありません。これから蜂を飼おうとしている人はこのことをよくよく銘記しておいてください。

「養蜂を学びたいなら、養蜂家の元で少なくとも1年は学ぶ必要がある」と書いているものもあります。「少なくとも」と書いているだけ良心的ですが、これは1年学べば十分ということではありません。人によって学ぶべき期間は違うでしょうから、「何年学べば大丈夫」などと言うことはできません。


困難な家畜を飼う覚悟


もちろん初心者でもミツバチを飼うことはできます。しかしそれはペットショップで犬や猫を買ってくるのと同じレベルのことです。ブリーダーのレベルにならなければ飼ってはならないとまでは言いませんが、デパートやスーパーでカブトムシやクワガタを買うレベルで考えているなら、それはあまりに愚かなことです。

散々言い尽くされているように、ミツバチは「家畜」です。いきなり神戸牛やホルスタインを買い始める人はいないでしょう。ならば、なぜミツバチなら飼えると錯覚するのでしょうか。ミツバチも神戸牛と同じかそれ以上に容易ではない家畜です。

もしミツバチを飼いたいのなら、犬や猫などではなく、牛や豚を飼うのと同じ程度の覚悟が必要です。


養殖業としての養蜂


犬や猫を飼いきれずに捨てる人がいます。まったく理解できません。犬や猫が病気になるように牛や豚も病気になりますが、ミツバチも病気になります。特に後三者は、前者よりも遥かに病気になりやすいものです。というのも、それらは狭いところに押し込まれて多数飼われているからです。

養殖業なのですから効率的生産のため、集約的になります。その結果しょっちゅう病気が発生し、まん延しています。こうした問題に対処するには、愛玩するのとは違うレベルの専門知識と技量が求められます。日本語のみならず外国語の文献調査も求められますし、装置を用いた分析も必要になります。

それができない場合、自らが損失を被るだけでなく、周囲の同業者にも損害を生じさせることになります。そうした責任を顧みずにミツバチを飼うというのは無責任の極みです。


初心者へのサポートの必要


覚悟を決めてミツバチを飼う人に対して先達はサポートすべきです。定期的に勉強会を開き、地域全体のレベルアップを図り、また地域で生じた問題について共有すべきです。

しかし、これは一般社団法人の養蜂協会に加入せよという意味ではありません。多くの養蜂協会はそのような機能を失っていますし、新人を歓迎する姿勢はありません。

SNSのツールが発達した今日なら、そうしたことはより容易に実現できるでしょう。

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